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支援事例 農産物直売所における経営改善および特産物の開発

河野 悟

企業概要

A社は、市と農家(約30軒)で設立した埼玉県の農産物直売所です。

15年ほど前の創業当初は、近隣に同様の施設がなく朝採れの新鮮な野菜や果物が買える施設として順調に売り上げを伸ばしました。しかし、近隣に同様の農産物直売所が立ち始め、スーパーにも産直コーナーが開設されるなど、消費者が新鮮な野菜を購入できる場が増えるにしたがい、A社の売上は伸び悩み、3年ほど前から赤字となっていました。

 

そのため、A社の経営改善のために資金繰り改善と黒字化できる企業体質の改善を図るとともに、来客数を伸ばすために目玉商品を開発することにしました。

支援内容

事業支援として次のことを行いました。

1.日本政策金融公庫の制度資金を使い、資金繰りの改善を図りました。

2.仕入れ商品の見直しを行い、在庫削減を図りました。

3.市役所と協議して、施設料の軽減を図りました

4.生産農家と協議して、手数料率を近隣の農産物直売所の同率程度に見直しました。

 

5.直売所社員、生産農家、市役所と共に商品開発の研究会を組織しました。近隣の農産物直売場などを視察しながら、市の農産品を使った加工品を6品目開発して、展示会やイベントなどで試食、試験販売を行っていき、2品目の販売を開始しました。爆発的に売れる商品ではありませんが、人気商品となっており来店回数の増加につながりました。また、研究会は、生産農家と共に行ったため直売所社員とのつながりが深くなり、納品する農産物が増えるという効果もありました。

結果と今後の展開

支援を受ける前の年間売上高に比べ、売上高は10%以上に伸び、黒字化しました。その翌年は不作の影響があり、売上が支援を受ける前に戻りましたが、それでも黒字となり体質の改善効果が表れました。

 

今後は、さらにイベントの実施や観光バスの誘致などを行い、集客力を強化したいと考えています。